羽生雅の雑多話

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京都寺社遠征 番外編~嵐山の新名所、福田美術館

 福田美術館では「開館記念 福美コレクション展」が開催されていました。「開館記念」と銘打っていることからもわかるように、2019年10月1日に開館したばかりの新しい美術館です。規模はそれほど大きくありませんが、展示品は錚々たるメジャー絵師たちの今までに見たことのない作品――知らないのに、知らないのがおかしいくらいの秀作揃いだったので、ちょっと驚きでした。

f:id:hanyu_ya:20200728010028j:plain葛飾北斎「大天狗図」。北斎の卓越した画技が発揮された傑作。構図といい、表情といい、絵手本集に載っていてもおかしくない出来。本当にこの人は絵が上手いです。

f:id:hanyu_ya:20200728010137j:plain竹内栖鳳「水風白鷺」。これも上手い。

f:id:hanyu_ya:20200728010241j:plain上村松園「人形遣之図」。これも素晴らしい。私が一番好きな「焔」には負けますが、「序の舞」や「鼓の音」より好きだと思いました。

f:id:hanyu_ya:20200728010402j:plain伊藤若冲「群鶏図押絵貼屏風」より。金戒光明寺にある若冲屏風も素晴らしいですが、こちらも甲乙つけがたい味のある作品でした。

f:id:hanyu_ya:20200728010548j:plain「群鶏図押絵貼屏風」より。「何、この鶏の顔!」と心中で叫んでいました。どうしてこんな表情が描けるのか、そもそも思い浮かぶのか、サッパリわかりません。誠に鬼才です。

f:id:hanyu_ya:20200728010712j:plain伊藤若冲「柳に鶏図」。こんな鶏を描くのは若冲だけだと思います。

f:id:hanyu_ya:20200728010856j:plain橋本関雪「睡猿」。長谷川等伯に匹敵する猿だと思いました。

 

 全体的に巧いと思う絵が多くて見ごたえがありました。たまたま時間があったから訪れた美術館でしたが、思わぬいいものに出合えて、大満足でした。