羽生雅の雑多話

引越してきました! 引き続きよろしくお願いします!

京都寺院遠征~法金剛院

 本日のBGMは中森明菜スーパー・ベスト「Recollection」です。

 

 昨日仕事で大阪&京都に行き、今日の夕方4時前に帰ってきたのですが、蒸し暑さでヘロヘロだったので、とりあえず一服しようとコーヒーを淹れ、冷房が効きはじめた部屋で飲みながらニュースでも見ようかと思い、新聞のテレビ欄を見たら、4時半から「中森明菜スペシャルライブ1989」という番組をNHKでやっていたので、4時50分ごろ――「I MISSED “THE SHOCK”」から視聴。見はじめたら引き込まれて、コーヒーを飲み終わっても動けず、荷物の片付けもそっちのけで、最後まで見入ってしまいました。いやぁ、素晴らしかった。耳福、眼福。声と歌と曲調と見た目があれほどしっくりとハマり、リンクして相乗効果を上げ、独特の世界観を生み出している女性ヴォーカリストはちょっと他に思い当たらないですね。正真正銘の歌姫です。ちなみに、私が一番好きな明菜の歌は「水に挿した花」。あとは「二人静」「Dear Friend」「難破船」「ミ・アモーレ」、そして来生三部作といったところがお気に入りで、昔はよくカラオケで歌いました。「難破船」はかなり難儀していましたが(笑)。ライブではそのうちの半分ぐらいしかやりませんでしたが、十分堪能しました。「水に挿した花」とか「二人静」はライブで盛り上がる歌ではありませんし。

 

 閑話休題。明日日曜は日比谷で宝塚観劇なので、この週末は東京にいるはずでしたが、急きょ仕事の都合で大阪に行くことに。休みがないのはつらいので当初は日帰りで行こうと思っていたのですが、調べたら法金剛院の観蓮会が9日土曜からだったので、京都に泊ることにしました。大阪での用が済むと京都で別件をこなし、6時前に仕事を終えて、別の業者さんと合流。「知り合いがいい感じの店をやっているので、今度京都に来たときに行きましょう」と言われていた店で、冷酒を飲みながら鱧やら夏野菜やらを味わってきました。

中京区役所近くにある「炭火と酒 心月」の店内。築100年の町屋を改装した、落ち着いた雰囲気の店です。

 

 翌朝は10時過ぎにホテルをチェックアウトし、ロッカーに荷物を預けると、10時33分京都発の嵯峨野線に乗車。花園駅で下車し、駅から歩いて2分ほどの法金剛院へと向かいました。

 

 法金剛院は律宗の寺で、9世紀――平安時代初めの創建。53代淳和天皇の御代に右大臣だった清原夏野(782~837)の山荘が彼の死後に寺とされて双岡寺と称し、その後55代文徳天皇(827~858)が大きな伽藍を建てて天安寺とし、平安時代末期の12世紀に鳥羽天皇中宮の待賢門院(1101~1145)が法金剛院としたという古刹です。本尊は阿弥陀如来像で、2020年に国宝に指定され、庭園にある「青女の滝」は待賢門院が作らせた日本最古の人口の滝ともいわれ、特別名勝に指定されています。清原夏野文徳天皇、藤原璋子……歴史的にも興味深いので、いつか訪れようとは思っていましたが、蓮の名所なので、どうせなら蓮の季節がいいと思っていたら機会を逃しつづけ、今回ようやく訪れることができました。

法金剛院についての説明板。木嶋坐天照御魂神社に行ったときにこの説明板の前を通ったのですが、清原夏野の別荘の跡に建てられた寺院と知って、たいそう驚きました。天皇家と近く権力の中枢にいた時期がある藤橘源平の四氏のゆかりならともかく、夏野ぐらいしか大臣を出していない清原氏ゆかりの寺が千年以上も残っているなんて不思議だと思っていたら、文徳天皇と待賢門院のゆかりでもあると知って、納得がいきました。

法金剛院全景

蓮その1。後ろは礼堂。

蓮その2

蓮その3

蓮その4

蓮の葉にとまっていたトンボ。気持ち悪いくらい芸術的なつくりの体だと思いました。色も含めて。

「ながからむ 心もしらず 黒髪の みだれて今朝は 物をこそ思へ」の歌碑。作者の堀河は待賢門院に仕えた女房なので、彼女も当院とゆかりがあるのかもしれません。

法金剛院の御朱印

 

 国宝の本尊や重要文化財の十一面観音も拝観して法金剛院を後にすると、帰りは5時過ぎの新幹線の切符を取っていましたが、午後は雷雨という天気予報だったので、東京に帰ることにしました。もともと暑い中を歩きまわる気はなく、気温が30度以下だったら寺社巡りでもしようかと思い夕方の切符にしていましたが、そうでなければ法金剛院だけで引き上げるつもりだったので。翌日の宝塚は11時開演のマチネでしたし。ということで、12時前には京都駅に戻り、窓口で特急券を変更し、昼食の鱧寿司とタカラ缶チューハイを調達して、ホテルのロッカーから荷物を取り出すと、12時24分発ののぞみに乗車。今回はこれで終了です。

 

 安倍晋三元首相の訃報を京都で知ったのですが、一緒に食事をしていた業者さんが「今日、ウチの社長は奈良ですワ。西大寺じゃありませんが」と言ったのを聞いて、自分も居合わせた可能性がある身近な事件だと改めて思い、背筋が寒くなるような気がしました。本当に、とんでもない世の中になってしまいました。「戦争」や「暗殺」――それがどういうことなのか内容と存在は知っていても本やテレビの中だけにあるものだった事柄が次から次へと実際に起こるようになりました。「大地震」も「大津波」もありました。行こうと思っていたドロミテ渓谷の氷河も溶けました。「原爆投下」「核ミサイル発射」「富士山噴火」「日本沈没」……過去のこと、フィクションの世界のこと、100年以上先の遠い未来のこととして言葉だけの存在と思っていたことがどんどん現実化する世界が、近い将来訪れるのかもしれません。「いつか」や「次」がますます空しい響きに感じられ、「やりたいことはやれるうちに、やれるときにやらないと」という思いを強くしました。ということで、来月は姫路に、再来月は岡山に行こうと目論んでいます。