羽生雅の雑多話

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高橋幸宏氏の訃報に寄せて

 本日のBGMは、YMOの「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァ―」です。

 

 YMOの三人のメンバーの一人である高橋幸宏さんが1月11日に亡くなりました。以前の記事でも触れましたが、小中学生時代、日本の歌謡曲には目もくれず洋楽を聴きまくっていた私は、日本のミュージシャンで新譜が出るたびに聴いていたのはYMOぐらいだったので、また一時代が終わってしまった……という感じ。特に、幸宏さん作の一世を風靡した名曲「ライディーン」は聴くだけでなく高校時代には踊りまくった思い出深い曲なので、悲しいというよりも、自分を構成している一部分を剥ぎ取られたかのようで、脱力感が大きく、少々腑抜けた状態です。

 

 YMOが解散するとき、「散開コンサート」というのを日本武道館でやったのですが、母親同伴で入口まで行きました(笑)。当時は埼玉の川越に住んでいて、子供が夜に一人でそんな遠いところに行ったらダメと親に止められたのですが、どうしても観たくて、その頃は方法もわからなかったのでチケットも取っていなかったのですが、当日券とかあるかもしれないと泣きついて、根負けした母親が一緒に行く条件で許してもらったのです。ところが、そのコンサートはチャリティーライブで、観客は招待客のみとのこと。よって、当日券の販売はおろか、あの頃たくさんいたダフ屋の一人もいなかったので、漏れ聞こえてくる音を背にしつつ母親に慰められながら九段下の坂道を帰りました。だから、爆風スランプの「大きな玉ねぎの下で」を聴いたときには、「千鳥ヶ淵 月の水面 振り向けば 澄んだ空に光る玉ねぎ~♪」の歌詞がとりわけ身に沁みて心に刺さり、しばらくカラオケの定番曲にしていました。幸宏さんの訃報を聞いて、「そんなこともあったよなぁ」と久しぶりに思い出しました。そんな貴重な思い出があるミュージシャンもYMOぐらいです。

 

 YMOはファーストアルバムの「イエロー・マジック・オーケストラ」も、解散近くの「浮気なぼくら」や「サーヴィス」もいいのですが、そのあいだに発表された「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァ―」「増殖」「BGM」「テクノデリック」の4アルバムが素晴らしいと思っています。「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァ―」は「ライディーン」だけでなく、タイトル曲の「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァ―」も幸宏さんの名曲だし、教授(坂本龍一氏)の名曲「テクノポリス」「ビハインド・ザ・マスク」も入っている大傑作です。「増殖」は「ナイス・エイジ」。幸宏さんと教授の共作ですが、YMOで1番好きな曲かもしれません。この曲はとにかく幸宏さんのボーカルがいい。「BGM」は1番好きなアルバムで、「バレエ」「千のナイフ」「キュー」「ユーティー」が好きですが、全体の流れがよくて隙がない。「テクノデリック」は「灯」と「KEY」、「階段」や「京城音楽」も好きです

 

 YMOも、後にも先にも類がない唯一無二のバンドだと思います。散開コンサートには行けませんでしたが、リアルタイムで彼らの音楽活動に接することができたのは幸運で、紛れもなく財産の一つです。確実に、その後の音楽世界を広げてくれましたから

 

 幸宏さん、今でも聴きたいと思う曲をたくさん残してくれてありがとうございました。ご冥福をお祈りします

 

 そしてたまたまですが、教授、誕生日おめでとう。先日のNHKのように、時々でも演奏が聴けると嬉しいですが、お体を大事にしてください。