本日は日比谷で宝塚星組公演、「ベルリン、わが愛」と「Bouquet de TAKARAZUKA」を観てきました。宝塚オリジナルとしては可もなく不可もない作品だったので、以下さらっと感想です。
トップコンビをはじめ、歌も踊りもイマイチなので、正直なところ見甲斐がなく、ベニー(紅ゆずるさん)のスター性だけを感じた公演でした。
ベニーは声はよくないし、歌も踊りも上手くないけど、醸し出す雰囲気とスターオーラは群を抜いていて、誰が見てもトップスターでした。個性的なジェンヌさんなのですが、ある意味、典型的な宝塚の男役のような気がします。中性的で、どちらかといえば男ではなく、男装の麗人。男としてのカッコよさではなく、あくまでも女性が演じる男役としてのカッコよさを追及しているように思えます。立ち姿はもはやカッコいい男にしか見えない宙組トップスターゆりか(真風涼帆さん)とは真逆のタイプ。ベニーには歌舞伎の女形に通じるものを感じます。どう見ても男性が演じている女役で女ではないのだけれど、女より女らしくて、強引に観ている者を納得させるような。ベニーも顔も声も歌もダンスも今一つで、けれどもそれを補って余りある華と色気があり、舞台に出てくるたびに星組のトップスターは紅ゆずるしかいないと思わせるものがありました。それって凄いと思います。色気に関しては、私はみやるり(美弥るりかさん)が放つ妖しい色気のほうが好きですが。
二番手のこと(礼真琴さん)は今回パッとしませんでした。まず歌ウマに聴こえなかったし。お芝居は悪くなかったと思いますが、無難な役すぎて、見た目はイマイチだったけど歌に力があってインパクトがあったスカピンのショーヴラン役のほうがよかったように思います。立ち姿がベニーはもちろん、かい(七海ひろきさん)や専科のカチャ(凪七瑠海さん)にも負けているのだから、歌ぐらいは毎回頑張ってほしいです。どの公演も自分こそが星組を代表する歌ウマだという気合で……。カチャも取り立てて上手いとは思いませんが、今回はカチャの歌のほうがことよりも印象に残りましたから。