羽生雅の雑多話

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千歳→旭川→美瑛→富良野→洞爺湖→登別→千歳~北海道ふっこう割ツアー旅行記

 木曜から昨日まで、北海道に行ってきました。今年の6月に軽井沢の万平ホテルに一緒に行った友人に、ふっこう割で格安だからと誘われ、星野リゾートOMO7旭川とザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパに泊まる旅というツアーに参加してきました。
 
 今年4月に赤坂界隈を歩く参加者10人強の町歩きツアーに参加しましたが、それを除けばツアーに参加したのも久しぶりなら、北海道に行くのも久しぶりでした。年3回シーズン中は毎月のようにスキーに行っていたころはニセコ富良野を毎年訪れていたのですが、年1になってからは白馬か志賀高原に行って終わりなので、10年以上足を踏み入れていませんでした。
 
 北海道のラグジュアリーホテルといえば、先進国首脳が集まるサミット会場にもなったザ・ウィンザーホテル洞爺ということで、一度は泊まってみたかったので、なんとか仕事を調整して行くと返事したあとの手続きはすべて友人にお任せで、最初が旭川泊だと聞いたので、てっきり旭川空港から道内に入るのだろうと思っていたのですが、出発数日前に友人から来たメールによると、羽田から新千歳空港へ飛び、それからバスで旭川まで移動するとのこと。何故にそんな非効率な行程なのかと一瞬思いましたが、すぐにそれが格安である理由の一つなのだろうと思い直しました。ホテル設備を調べるため、OMO7旭川のホームページを見たら、カフェバーにハッピーアワー料金の設定があったので、着いたらスパークリングワインでも飲もうと思っていたのですが、友人がラーメン屋に行きたがっていたので、こりゃムリかなと断念。午後発で千歳からバスじゃ旭川に着いたらもう夕食の時間だろうし、飲み屋じゃないラーメン屋は閉まるのが早そうだし。
 
 ということで、行きは14時発のANA便だったのですが、使用機の到着が遅れたとかでフライトも遅れ、新千歳空港に着いたあと、出口で待機していた添乗員さんからモロモロ説明を受けて旭川行きのバスに誘導され、結局出発したのは4時でした。何しろ着いてみたら参加者は100人弱、大型観光バス2台という巨大ツアーだったので……正直あまりの大人数にビックリしました。昔エジプトやペルー、トルコや東欧など個人で行くのに不安がある国への旅行はツアーを利用したので、ツアーに対する免疫はあるのですが、多くても30人ぐらいで、こんな大所帯は初めてで、さらに平日の冬の北海道ツアーに参加する人がこんなにいることにも驚きました。リタイア組が中心ではありましたが、木金土の二泊三日のツアーで、仕事をしているのなら二日休まなければならないはずの現役世代もわりと多い上に(自分もその一人ですが……)、足元がおぼつかず、見るからに雪道大丈夫か?という心配な感じで、何故わざわざ寒くて移動も危険で大変な冬の北海道に……と思うような年配者もけっこういましたから。
 
 出発後ほどなくして外が暗くなり、車窓からほとんど何も見えない中、トイレ休憩を2回入れて3時間ほど走り、7時前にOMO7旭川に到着。荷物を置くとすぐに部屋を出て、友人が行こうと思って調べてきたというラーメン屋へと向かいました。100人が一斉に夕食に出るとなると、有名店は混むと思ったので。
 
 目的の旭川ラーメン店「天金」に着くと、アルコールはラーメン屋らしくビールと日本酒しかなかったので、戻ったらハッピーアワーは過ぎているけど、やはり飲むのはホテルに帰ってからにしようと思い、一番基本メニューのしょうゆラーメンと餃子を注文。食べ終わると店を出て、方向はわかっていたので、行きとは違う道を通ってホテルに戻ることにしました。少し歩くと、まだ開いているらしきドラッグストアが見えたので、水を買うために寄ろうとしたら、向かい側に「セイコーマート」を発見。北海道発のコンビニで、バスの中で添乗員さんが、オリジナルの物もあって北海道のお土産を買うのによいというようなことを話していたので、ドラッグストアはやめて、そちらに行ってみることにしました。そして、セイコーマートオリジナルの「京極の名水」と北海道限定の乳酸菌飲料ソフトカツゲン」、それと翌日の昼食は事前に仕出し弁当を頼まない人は各自で用意することになっていたので、店内で焼いたというパンでも買おうと思い、吟味していたら、思いがけず声をかけられたので、誰かと思って振り向いたら当の添乗員さんでした。「ツアー参加の方ですよね? お店すぐにわかりましたか?」と訊かれたので、「探していたわけじゃないんですが、偶然見つけたので寄ってみました」と偽らずに回答。大所帯の添乗が終わったあとのプライベートタイムを邪魔しては悪いと思ったので、ふた言み言話して店を出、8時半にはホテルに帰着。その後、お酒があまり強くない友人は、せっかくスパ利用券が付いているのでスパに行ってくると言うので、私は予定どおりカフェバーに行き、一人しか客がいない静かな店で、切りたて生ハムをつまみにスパークリングワインを飲んで、ようや旅行に来ている気分になりました。のんびりしたかったのですが、翌朝の出発が8時半だったので、2杯で切り上げて部屋に戻りました。
 
 明けて翌日は、雪景色の美瑛の丘や氷柱の下がる白ひげの滝を見たあと、富良野後藤純男美術館へ。

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大雪山国立公園内にある美瑛の白ひげの滝
 
 昔私が広告コピーを書いていた松久宗琳仏師原型のブロンズ製仏像や酒井雄哉大阿闍梨の直筆書の掛軸などを販売するDMでは後藤純男画伯の複製リトグラフなども扱っていたので、懐かしい馴染みのある画家なのですが、富良野に美術館があることは知りませんでした。しかも後藤純男の絵といえば寺と桜というイメージがあったので、今回の旅行で当館の存在を知ったときに「どうして富良野に……」と思ったのですが、どうやらアトリエがあったようです。

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後藤純男吉野山」(部分抜粋)

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後藤純男吉野山」。吉野の桜を描くのなら、こうであってほしいと思った絵でした。

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後藤純男「春宵」(部分抜粋)。これこそ私の中にある後藤純男の絵でした。一つ一つの花の描写があまりにも繊細で、言葉になりません。

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後藤純男「雲海黄山雨晴」(部分抜粋)。金を使って表現された陽光が当たる雨後の岩の描写が実に見事です。
 
 久しぶりに後藤画伯の絵をまともに鑑賞しましたが、やはり桜が一番で、繊細で全体の印象は優雅でありながら、一つ一つの花には岩絵具の描写による力強さが感じられるところに惹きつけられます。そして、その花が醸し出す日本的な美の世界を引き立たせる背景は、やはり歴史に裏付けされた重厚さを持ち、年月を経ているからこその色合いである落ち着いた暗い色彩で描かれる寺院建築に勝るものはなく、その組み合わせが秀逸だと改めて思いました。

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美術館前から見える十勝岳連峰。後藤画伯がこの地にアトリエを構えたのもわかる気がする清冽な印象の風景でした。
 
 美術館見学のあとは、何回かのトイレ休憩を挟みつつバスでひた走り、占冠、千歳、苫小牧、登別、伊達を通り過ぎて洞爺湖へ。その日最後に寄ったサイロ展望台はお土産が買える唯一の休憩スポットでしたが、免税店かと思うほど外国人観光客でいっぱいで、物を買いたい人は洞爺湖を見るのもトイレに入るのもあきらめてレジに並ばなければバスの出発に間に合わないという有り様でした。なので、買い物はあきらめ、店内を横切り外に出て、洞爺湖見物で終了。バスに戻り、10分ほど走って、5時頃に宿泊場所であるザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパに到着しました。

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日没直前でかろうじて見えた弁天島、観音島、中島。外国人観光客は買い物熱心で、写真撮影が終わればさっさと店内へ行くので、少し待ったらまったく人がいなくなりました。
 
 翌朝は9時出発で、ホテルを出たあとは、登別温泉の地獄谷に寄って見物後、新千歳空港へ。着いたら、ちょうどお昼前だったので、札幌ラーメンの「空」というお店で空港限定メニューの焼きとうきびラーメンというのを食べました。そのあとは友人と別れて、土産物屋を物色。JALカードで支払うと割引されるJAL系の土産物屋「ブルースカイ」で試食販売をしていた「北海道ほっくチーズ」というのが美味しかったので、お土産に購入しました。美味しいのに知らないお菓子だなと思っていたら、JALUXプライベートブランドのお菓子だそうで……どうりで見たことがないと思い、他では買えなさそうだったので、人にあげるための8個入りと自分用に4個入りを買いました。

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登別温泉の源泉、地獄谷。来ているのは、中国人観光客のほうが多かったと思います。
 
 荷物が増えたので、少しでも減らすためにセキュリティチェック前にペットボトルを飲み干して捨てようと思い、無料休憩所のテーブル席で買ったばかりの「北海道ほっくチーズ」を食べながらお茶を飲み寛いでいたのですが、朝から症状が出ていた寒暖差アレルギー鼻炎が悪化して、持っていたティッシュを使い果たしてしまったので、こりゃマズいと思い、急きょドラッグストアを探すことに。北海道は屋外は氷点下なのに、屋内は関東より薄着でも大丈夫という暖かさなので、下手をすれば気温差が20度ぐらいあり、体が対応しきれず、三日目にして発症していました。しかし土産物屋フロアには見あたらず、ようやく見つけたローソンで、なんとか鼻セレブのポケットティッシュをゲットしたので、心ゆくまで鼻をかんだりしていたら、気づいたときには出発20分前の搭乗開始時刻になっていたので、慌ててセキュリティチェックを受けて搭乗口へと向かいました。
 
 今回も使用機の到着が遅れているとのことで、搭乗開始も10分ほど遅れていたので、無事に間に合って13時30分出発の予定だったANA便に乗り、羽田へ。着いたら真っ先にドラッグストアに駆け込んで鼻炎用カプセルを買うつもりでしたが、気温差の少ない東京に帰ってきたら症状がよくなったので、友人と別れ、寄り道せずに帰宅。これにて旅程終了です。