はや11月です。今年も残すところ、あと2か月となりました。9月の熊本遠征記をようやく文化の日に書き終わったところですが、先月も2回遠征をしてきたので、順に記事を書いていきたいと思います。
さて、10月は月初にカード入れを紛失し、どこで失くしたかわからなかったので、その前週に行った店を再訪して忘れ物や落とし物がなかったか訊いてまわったのですが、見つからなかったので、入っていたクレジットカードをすべて止めることにし、解約したり再発行の手続きをしたり新しいカードを受け取ったりでバタバタしていました。幸い、どれも不審な使用履歴はないと言われたので安心したのですが、8日から三泊四日で関西に行く予定を入れていたので、メインのゴールドカードとSuica機能が付いているカードを失ったのは不便極まりなく、さらに、そのカード入れの中には再発行してもらえるカードだけでなく、再発行できない限定バージョンの各種カードも入っていたのでショックが大きく、あきらめきれずに探していたところ、探しはじめてから三日目に地元の図書館から電話があり、貸出カードが入ったカード入れが届いているという連絡が金沢の警察署からあったとのことでした。それにより、5日に仕事で金沢に行ったときに、どうやら昼食か夕食で寄ったいずれかの店で忘れてきたらしいことが判明。運よく見つかって安堵しましたが、余裕のないスケジュールを組むとロクなことがないと、しみじみ思いました。この時の金沢行きは日帰りの強行軍だったので。
で、気がかりもなくなったので、予定どおり8日の昼で仕事を切り上げ、品川発13時37分ののぞみに乗車し、15時44分に京都駅に到着。本来この時間に着けば考古資料館に行ったり本能寺に行ったりしたように、5時まで開いている施設に余裕で行けるのですが、この時は台風14号が襲来していて、その日も雨降りで外を歩くのが億劫だったので、JR京都伊勢丹の7階にある美術館「えき」KYOTOで開催している「キスリング展」を観ることにしました。
キスリングは、フリードリヒ、マグリット、ルソー、ミュシャ、ラファエロ、クリムトのように海外まで作品を見に行くほど好きな画家というわけではないのですが、ミモザの絵だけは大好きで、機会があれば見ることにしています。今回も1枚でも見られればよいと思っていましたが、個人蔵とパリ市立美術館蔵の作品が来ていたので、行ってよかったです。キスリングのミモザは小さな丸い花の一つ一つにたっぷりの絵具をのせて描かれているのが特徴で、その画法による立体的な描写から生まれる迫力と、緻密な表現による繊細さが同居しているところが魅力。久しぶりに実物を味わえ、正直なところ9月に見た国立西洋美術館のロンドン・ナショナル・ギャラリー展よりも格段に満足感がありました。
ちなみに、ロンドン・ナショナル・ギャラリー展は、すべての作品が初来日ということで、これは見るべきではないかと思い行ったのですが、世界的にメジャーな一流画家の凡作の集まりという印象で、多くの所蔵品の中でも長期間館外に出してもかまわない作品だから貸し出しが許されたのではないかと思ったほど。まったくの期待外れで、事前予約までして見に行くほどではなかったとガッカリしました。最初に予約した日時は都合が悪くなり行けなくなって再予約する羽目になりましたし、入場制限しているわりには密な会場でしたし。
美術館を出ると4時半過ぎで、e5489で予約した特急電車の出発時刻まで1時間弱あったので、西口改札前のイートパラダイスへ行き、料亭「和久傳」がやっているカジュアル店「はしたて」で、3~5時までの軽食メニューである「むしやしない」を食べることに。5時10分を過ぎると店を出て、改札近くのキオスクでタカラ缶チューハイを調達してから嵯峨野線のホームへ行き、すでに停車していた17時28分発の特急きのさき13号に乗車。
「はしたて」のむしやしない
今回の関西遠征は、大津市歴史博物館で10月10日から始まる企画展と11日までのミニ企画展が目的で、それゆえ両方が見られるのはこの土日しか日程がなかったので、4か月前から決めていたのですが、どうせ関西に行くのならタカラヅカも観たいと思い(コロナのせいで販売席数が減って、東京公演のチケットが取れにくくなっているので)、いつもチケットの手配を頼んでいるヅカ友に、10日か11日の大劇場のチケットが取れないか頼んだら用意してくれたので、宝塚まで行くことにしました。
そして宝塚まで行くのなら、特急電車で1時間ほどなので、福知山を再訪することにしました。というのも、ふるさと納税の返礼品で謀反のお知らせハガキと一緒に送られてきた福知山城と光秀ミュージアムのチケットがまだ残っていて、しかも福知山城ではスマホゲームの「イケメン戦国」とのコラボ企画も始まったので、いずれにしろ年内にもう一度行こうとは思っていたので。今回は大津を中心に考えていたので、福知山城に行くのは12月ぐらいと考えていたのですが、調べたら、ふるさと納税で集まった寄付金で10月から文化の日まで1か月ほど福知山城でライトアップをやっているという情報を得たので、この機に足を延ばすことにしました。
ということで、18時52分に福知山駅に到着すると、7月に来たときと同じ駅近のホテルにチェックイン。そして部屋に大きな荷物を置くと、雨が止んでいたので、さっそく福知山城へと向かいました。城に行くバスがすでに終わっていることも、道順もわかっていたので、歩きです。
時刻は7時10分ぐらいで、この時間に行っても城とミュージアムは閉館していて中には入れないので、次の日の夕方から夜にかけて訪問し、城内とミュージアムの見学およびライトアップ見物を一緒にするほうが効率はよかったのですが、台風が近づいていて雨の可能性が高かったので、二日続けて訪れることにしました。ホテルから歩いて15分ほどで行ける距離なので。城内やミュージアムの見学は雨が降っていてもかまいませんが、ライトアップは雨の中で見物しても楽しくないので。
城の登坂道に到着すると、木曜の夜でしたが、思っていた以上に人出がありました。金曜土曜は台風が日本列島に最接近し大雨の予報だったので、予定を前倒しして早めに見に来たのかもしれません。
ライトアップされた福知山城の石垣。上に見えるのは釣鐘門。
本丸広場のプロジェクションマッピングとライトアップされた福知山城
本丸広場のプロジェクションマッピングとライトアップされた福知山城
北側城壁のプロジェクションマッピング。石垣に桔梗紋が咲きました。
北側城壁のプロジェクションマッピング。カラフルにもなりました。
登坂道のプロジェクションマッピング
登坂道のプロジェクションマッピング。水の流れが桔梗紋に変わりました。
城の外周を一周し、8時過ぎに引き上げて9時前にはホテルに戻り、その日は終了。翌9日、再び福知山城に向かう前に駅構内にある観光案内所に寄ったら、暴風雨に備えて機材を撤去するため、本日から15日まで城のライトアップは中止という案内があったので、二日連続で訪れる羽目にはなりましたが、前日城に行っておいたのはいい判断だったと自分を褒めたくなりました。
物事は総じて、懸念や不安材料があるときは用心するに越したことなく、運が悪かった場合のパターンを想像し、それを回避するための対策を立てて、たとえその対策を実践すると効率は悪くなろうとも、当初の目的を確実に成し遂げたいのなら、費やせる労は惜しまぬ選択をするのが正解だと改めて思いました。予定より労力や時間、そしてお金がかかったとしても、目的を果たせないよりは数段マシですから。目的を果たせなかった原因が、人間が勝てない自然のせいであっても、わざわざ遠方から見に来たものを見られずに帰るというのはたいそうガッカリで、二度手間以上にショックが大きいものです。よって極力避けたいですから。