大して感想もなかったので記事を書くのが遅くなりましたが、10日ほど前に宝塚宙組公演「白鷺の城」「異人たちのルネサンス」を観てきました。感想はひと言で、「ザ・ゆりか'S ファッションショー」。けれども、出ずっぱりの宙組トップスターが出てくるたびに美しくて眼福なので、もうそれでいいという公演でした。
しいて他のことについて言えば、ゆりか（真風涼帆さん）があまりにカッコいいので、相手役が星風まどかさんでは物足りず、終始違和感があったことぐらいでしょうか。星風さんは美人に見えないので……玉藻前もカテリーナも。ゆりかが執着するような美女には思えないし、実際の並びもピンとこないし、よって説得力がありませんでした。ゆりかの隣には美人が立って、対でこの世のものではないような美の世界を創り上げて見せてほしかった。今回の和物ショーの世界観は麗人・真風涼帆の美しさを表現するのにピッタリな作品だったので。うららちゃん（伶美うららさん）が残っていたらなぁ……としみじみ思いました。それと、ショーは楽曲がとてもよかったです。
ミュージカルの見どころは、キキ（芹香斗亜さん）のロレンツォでしょうか。やっとキキが本領発揮できる役に恵まれました。こういう芝居を観ると、やっぱり彼女が二番手だと思います。他とは存在感が違いますから――トップのゆりかは別として。
宙組の95期生はずん（桜木みなとさん）で、キラキラの95期生にふさわしいロレンツォの弟ジュリアーノというおいしい役でしたが、キキや他組の路線にいる95期生と比べると、芝居は下手だし、ダンスも歌もハッとさせられるような光るところがなくて存在感はないしで、まだ単なる若手スターの一人にすぎず、番手が付くには遠いという感じでした。とはいえ、宙組はこれといったトップスター候補がいないので、これでキキの下の三番手とかになるのだったら、花組のマイティー（水美舞斗さん）とか星組のせおっち（瀬央ゆりあさん）とか、目に見えて頑張っていて成長ぶりが著しいのに、同期が同じ組の二番手で今のところ後塵を拝す形になっている期待の95期生に組替えしてもらいたいと切に思いました。
