羽生雅の雑多話

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ルパン三世とノートルダム大聖堂

 今夜は「ルパン三世ベスト・コレクション」を聴きながら記事を書いています。

 
 ルパン三世の生みの親であるマンガ家のモンキー・パンチ氏が11日に亡くなりました。享年81歳。年齢を考えるとけっして早いというわけではないと思いますが、また一つの時代が終わったような気がします。
 
 海老蔵ではありませんが、私も毎日「ルパン三世」のアニメを見ていた子供でした。確か日本テレビの夕方5時とか5時半ぐらいから30分間……小学校時代にシャーロック・ホームズとかアルセーヌ・ルパン、エラリー・クィーンなどが活躍する推理小説を読みまくっていたのでアニメを見はじめたのですが、他に類を見ない特別な作品でしたね。大人になっても楽しめるので、「カリオストロの城」などの映画はいまだにテレビ放映されるたびに見ていますし――オンタイムに在宅しているときに限りますが。だから先年、大好きな宝塚で、しかもお気に入りのトップスターであるチギ(早霧せいなさん)がルパンを演じて、素晴らしい仕上がりの舞台を見せてくれたときには、もう感激で涙モノでした。
 
 「ルパン三世」の、おじサマの泥棒が主役で、仲間もライバルも渋くて味のあるおじサマたちという、他の子供向けアニメにはない個性的なキャラクター構成で、小粋でお洒落な変形型勧善懲悪的内容も好きでしたが、大野雄二さんの音楽がとにかく大好きで、このベストコレクションは、おなじみのオープニング曲「ルパン三世のテーマ」とエンディング曲「ルパン三世愛のテーマ」はもちろん、クライマックスで流れる「SUPER HERO」、そしてチャーリー・コーセーが歌う「ルパン三世その2」が入っているCDということで、選びに選んで買った一枚です。以前人に貸したら戻ってこなかったのですが、気に入ってくれたのなら本望と思い、同じ物を買い直したので、いま聴いているのは二代目ということになります。
 
 ところで、ルパンの愛車はイタリア車のフィアットなのですが、同社の公式ツイッターで感謝とお悔やみの投稿があったみたいですね。髙橋大輔引退時(現役復帰していますが……)のISU公式サイトでのコメント、デヴィッド・ボウイ死去時のドイツ外務省公式ツイッターでのツィートと同じぐらい感動しました。日本のいちアニメの主人公であるルパンがそこまでワールドワイドに支持されているキャラクターとは知りませんでした。スゴイ。このことから、モンキー・パンチさん自身も世界に影響を及ぼしたスゴい人だったのだと思います。
 
 ワールドワイドと言えば、今年「カリオストロの城」がルパン三世の祖父と設定されているアルセーヌ・ルパンの故郷フランスでも上映されたらしいですが、15日にはパリのノートルダム大聖堂が炎上し、崩落してしまいました。尖塔が崩れる様は9.11を思い出すショックな光景でした。ニューヨークと違って以前行ったことがある場所だけに親しみがあり、ニュース映像を見ながら思わず「うわぁー」と声を上げてしまいました。倒れる倒れる倒れたーという感じでしたし。フランスの大聖堂は世界遺産にもなっているような素晴らしい建物が多いので、今までにヴェズレー、シャルトル、アミアン、ランス、ストラスブール、パリ、そして去年ル・マンの大聖堂を訪れましたが、行っておいてよかったです。
 
 いずれ必ず行こうと思っていた名神大社阿蘇神社が熊本地震で倒壊してしまった映像を見たときに、また、ギリシャのコス島でヒポクラテスの木の隣にある地震で崩れたモスクを見たときに、諸行無常――形あるものはいつかは壊れるとしみじみ思ったので、頭ではわかっているつもりでしたが、今回改めて思い知らされました。せっかく国民の休日という公休で長く仕事が休める貴重な機会なので、今年のゴールデンウィークはドイツに行くことにしたのですが、10連休が確定してからエアーチケットを取ろうとしたら、時すでに遅しだったようで、フランクフルト&ミュンヘン発着便は取れず、結局シンガポール経由でパリまで飛んで電車でドイツに入ることになったので、行きか帰りにパリ市内に寄って、変わり果てた無残なノートルダムを見てこようと思います。
 
 そして、けっして昔どおりに元には戻らない建物を目に焼き付けて、最近腰が重くなりフットワークが鈍くなりつつある己を今一度奮い立たせようと思います。いつまでもあると思うな体力と歴史的遺物――ということで……。健康で体力があれば、お金と時間は、なんとかしようと思えば、なんとかなるものですから。