羽生雅の雑多話

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収穫は上原理生~赤坂ACTシアター「スカーレット・ピンパーネル」 感想

 いったんは前の記事の後日談でさらっと書いたのですが、もう少し書こうと思い、改めて別記事にしました。

 大山登拝の翌日、その後五日間ほど悩まされた激しい筋肉痛に見舞われつつも赤坂ACTシアターに出向き、「スカーレット・ピンパーネル」を観劇。階段を上り下りするのも一苦労で、行って帰ってくるだけでいつもの三倍疲労

 梅田芸術劇場版のスカピンは今回が初見だったのですが、なんとなくリピーター向きの演出で、人物関係を知っていることを前提にして作られているように見受けられ、その点はいかがなものかと思いましたが、メインどころの三役――主人公パーシー役の石丸幹二、相手役マルグリット役の安蘭けい、敵役ショーヴラン役の石井一孝の三氏をはじめ、歌がみんなよかったので、それなりにいい舞台でした。何より、よくあれだけのメンツを集めたなと感心しました。アイドル崩れみたいなキャストを入れて、いつも主演級のどこかが片手落ちの東宝ミュージカルとは大違いです。そのへんはさすが梅芸作。フランク・ワイルドホーンが音楽を担当したスカピンは名曲ぞろいなので、歌がよくなければダメで、歌がよければとりあえず満足しますから。ストーリー自体はさほど深い意味のない軽い作品なので。

 印象に残っているのはマルグリットの立ち回りで、あれはとうこならではの場面でしたね。宝塚の男役経験者でなければできません。

 それと、上原理生さんがインパクト大でした。ロベスピエールプリンス・オブ・ウェールズの二役だったのですが、それぞれの歌も役の切り替えも見事でした。歌はミュージカル俳優の域を超えていたので、今後注目したいと思います。

 終演後、同行した友人に「あのキャストならハズレはないよね」と言ったら、友人は「私は石丸さんがけっこう心配だった。最近オッサンくささが増していたから」と言うので、そういえば歌っている最中の手の所在のなさなんかが山祐さんに似てきたなと思い、確かにジキルあたりが適役のような気がしました。

 ということで、石丸さんもけっして悪くはなかったのですが、ぜひ井上芳雄さんや浦井健治さん世代の、花も実力もある役者さんで観てみたいですね。新婚の青年貴族という役どころが不自然でないような……その場合、マルグリットとショーヴランの役も釣り合う年頃でなければ興醒めですが。