羽生雅の雑多話

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平昌五輪総括~番狂わせなし。勝つべき人が勝ったオリンピック

 平昌オリンピック、終わりましたね~。開催まではいろいろと危ぶまれていましたが、メダル獲得数過去最多という、日本にとっても実りのある形で終了しました。選手の皆さん、本当にお疲れ様でした。そして、よいものを見せてくれてありがとう。

 終わってみれば、ワールドカップランキングトップだったり、直近の大会で連勝していたり、前回までのオリンピックチャンピオンだったり……実績のある人たちが実力どおりの力を出して勝ち切った大会だったと思います。今回金メダリストとなったフィギュアスケート男子シングルの羽生結弦選手も、スピードスケート女子500メートルの小平奈緒選手も、女子団体パシュートのチームも、五輪前にすでに世界で1位になる実績を作っていました。羽生選手はオリンピックディフェンディングチャンピオンで世界王者であり、小平選手は今季ワールドカップ7連勝を含め昨季から国内外の大会で24連勝中、パシュートチームは今季ワールドカップ3連勝で三度世界新を更新した世界記録保持者でした。一度や二度まぐれで勝ったという実績ではなく、他の追随を許さない、明らかに金メダル候補であると他も認め、他に威圧感を与える圧倒的な実績があったのです。

 他が認める実績や力があっても、それが圧倒的でなければ他を威圧することはできず、金メダルには届かないことも痛感させられました。金メダルを獲りにいきながら惜しくも銀メダルに終わったスピードスケート女子1500メートルの高木美帆選手、ノルディック男子複合ノーマルヒル渡部暁斗選手、スノーボード男子ハーフパイプ平野歩夢選手を抑えて金メダリストとなったのは、いずれもオリンピックチャンピオンでした。バンクーバー金&ソチ銀のビュスト選手であり、ソチ金のフレンツェル選手であり、トリノバンクーバー金のホワイト選手――今回の日本人銀メダリストたちより実績があり、自分が彼らに劣っているとか勝てないとかカケラも思っていない人たちです。ちなみに、フィギュアスケート男子シングル銀メダリストの宇野昌磨選手を抑えたのも、ソチ金の羽生選手。まだまだユヅとの力の差を感じているショーマは金メダル狙いではなかったと思いますが(笑)。

 さらにいえば、銅メダルを獲ったフリースタイルスキー男子モーグル原大智選手、スキージャンプ女子ノーマルヒル高梨沙羅選手の種目の金メダリストは、ワールドカップ年間総合6連覇中のキングズベリー選手と今季ワールドカップ6連勝、現在総合首位のルンビ選手。順当な結果で、正直、頂点への壁は厚いなと思いました。競技の時間帯や天候などの条件はみな同じで、自分の出番の時に風が吹いたり吹かなかったり雪面や氷が荒れていたりするのは運でしかありません。そして、競技環境が厳しければ厳しいほど、最後に物を言うのは実力です。よって、いくらレジェンドであろうと、今季の国際大会で実績を残せていない葛西紀明選手がメダルを獲れるような甘い大会ではありませんでした。スキージャンプ男子も、ラージヒルは今季ワールドカップランキングトップ、ソチ個人2冠のストッフ選手、ノーマルヒルはソチ団体金のウェリンガー選手が金メダルでしたし。

 選手たちは金メダルを目指すのであれば、さらなる努力を重ねるのはもちろんのこと、4年のあいだ常に全力を尽くし、全力を尽くすことでユヅのように運を引き寄せなければ頂点に辿り着くことはできないでしょう。険しい道のりですが、それをやりきれた人間だけが至れるのが、オリンピックチャンピオンなのだと思います。

 次回も隣国開催なので、今度こそ現地観戦を果たしたいと思います。