テレビ観戦しながら書きはじめた前の記事に時間がかかり、日付が変わってしまいましたので、世界フィギュアスケート国別対抗戦、男子フリーの感想はサクッと箇条書きで書いておきます。
●片膝を折った最初のポーズの脚のライン、そこからはじまる動きだしから思わず「うつくし~」とつぶやいてしまうジェイソン・ブラウン選手。見事な演技でした。
●神経が行き届いていないのに手先がきれいなネイサン・チェン選手。幼いころからバレエをやっているそうなので、体に沁みついていて、自然とそうなるのでしょう。得しています。これからは指先まで神経を使ってほしいと思います。
●宇野昌磨選手は、世界フィギュアのほうが出来はよかったですが、このフリーは名プログラムなので、見ているだけで楽しいです。来シーズンも継続し、よりブラッシュアップして完成度を上げて、このプログラムで五輪に臨んでほしいぐらいです。
●羽生結弦選手……今日のユヅはひどかった。あまりに下手すぎて、_| ̄|〇(ガッカリ)。手だけでなく、振りが板についていなくて、全然音楽に乗れていませんでした。見るに堪えないあの演技で、何故一人200点超えの一位なのか……現在の採点方式にいよいよ疑問。
まあ、選手にしてみれば、先月の世界選手権でシーズンは終わっていて、国別対抗戦はお祭りみたいなものだと思います。とりあえずISU公式戦で、ソチからオリンピックにも団体戦が追加されたので、以前よりは本気度が増しているかもしれませんが。
国別対抗戦といえば、思い出すのは、大ちゃんこと髙橋大輔元選手のフリー、「ブルース・フォー・クルック」。シーズンの最後にパーソナルベストをたたき出した圧巻の演技でした。演技終了後、他の国の選手たちも祝福にきていましたからね。もちろん私も震えました。その前の月の世界選手権は優勝していてもおかしくないぐらいの、実に惜しい2位でしたから。
それと、フィギュアといえば、真央ちゃんが先日現役を引退しました。私は別に好きでも嫌いでもないのですが、一時代を築いた人だったので、感慨深いですね。
彼女はユヅとタイプが似ていると思います。性格も二人とも負けず嫌いですし。スケートも、表現力より技術重視。どんな曲で演技をしても、受ける印象は変わらず、同じようにしか見えないところも似ています。
彼女のソチオリンピックのフリーは絶賛されていますが、このあいだの世界フィギュアのユヅのフリーと同じで、気迫は感じられて、その気迫に気圧されるようなものはありましたが、スケートそのものに感動したかというと、正直なところそんなことはなく、ただ、凄いな、頑張ったな、よくやったな、というだけでした。ただし、浅田真央以外にはできないことだとは思いましたが。
浅田真央という選手は、歴代フィギュアスケート選手の中で、誰よりも注目され、誰よりもプレッシャーを受けてきた人だと思います。その想像を絶する圧力の中で、10年以上も第一線で戦い続け、結果を出してきた人です。凄いと思わない人はいないと思います。特に、彼女の努力の大変さを身をもって知るフィギュアスケート選手ならば、尊敬して当然でしょう。また、彼女がスケートに向き合う姿勢、彼女がスケートに取り組む姿勢に人々は共感をおぼえ、だからこそ浅田真央というスケート選手は愛されてきたのだと思います。
そんな背景が、彼女のスケートをよく見せていたかもしれませんが、彼女のスケート自体が魅力的だと思ったことは、私自身はないですね。好きでも嫌いでもないのは、だからです。ただ凄いアスリートだと思うだけです。今のユヅと同じで。そのへんが、オリンピックの金メダルを獲れなかった理由のようにも思えます。ただし、やろうと思ってもできない、今まで誰もやってこなかったことをやった人です。そういう意味では称賛を惜しみません。長いあいだいろいろなものと戦ってきた人です。本当にお疲れ様でした。