羽生雅の雑多話

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京都寺院遠征~石峰寺

 6月の半ばに急きょ仕事で京都に行く用ができたので、帰りに石峰寺に寄ってきました。伊藤若冲の五百羅漢像があることで有名なお寺です。


 はじめは伏見稲荷大社に行ったのですが、あまりに人が多くて嫌になり、お参りだけして、千本鳥居はあきらめてさっさと退却、まだ行ったことのない若冲ゆかりの石峰寺が近いことを思い出して、スマホの地図を見ながら行きました。

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石峰寺の門。竜宮造りという形だそうです。

 いやぁ、素晴らしかったです。

 釈迦の一生を表した作品は仏像やら掛軸やら今までにも大量に観てきましたが、あの世界観をあれほど身に染み入るような形で味わったことはありませんでした。しいて言えば、恐山にある宇曽利山湖畔の賽の河原ぐらいでしょうか。誕生仏から涅槃像、さらには地蔵菩薩と子供たちがいる賽の河原――竹林に点在する石仏で場面場面が表現されているのですが、竹の合間から縦に差し込む何本もの陽光がまるで後光のようでした。陽を受けて影を作る石仏の顔も印象的で、雲がかかって日差しが弱まり陰影が薄くなると、とたんに表情が変わり、一瞬前までほほえんでいた御仏の笑みが消えたような感覚をおぼえました。お寺の受付で借りた虫除けの団扇を返却しつつ感想を述べると、緑と光の季節もいいが、雪の日も神秘的だとおっしゃっていました。確かにそのとおりだろうと思いました。

 若冲は晩年この寺に隠棲し、この地で亡くなったので、当寺には彼のお墓もあります。若冲の作品は大好きなので、無視して帰る気になれず、絵画作品にしろ、当寺の羅漢像にしろ、よい作品をたくさん残してくれたことに感謝しつつ合掌し、下山。

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伊藤若冲の墓。

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庭に咲いていた桔梗。

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内側から見た竜宮門。紫の紫陽花と朱色の門、青空のコントラストがきれいでした。
 予定外の京都行きで、その日は東京宝塚劇場のソワレ公演のチケットを取っていたので、急いで京都駅に戻り、昼過ぎの新幹線で帰京。品川駅で降りて山手線で有楽町駅まで行き、開演10分前に無事到着しました。

 この公演は宙組の新トップスター、ゆりか(真風涼帆さん)のお披露目公演でしたが、あまりにおもしろくなくて、京都から駆け付けた疲れもあり、眠くて仕方がありませんでした。かつて私をトルコまで行かせた大好きなマンガ――『天は赤い河のほとり』が原作の期待の作品でしたが、はっきり言って、「邪馬台国の風」以来の駄作でした。カイルことオリエントの英雄、ムルシリ二世陛下に扮したゆりかの見た目がカッコいいだけでした。

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表紙が若冲画の虎だったので、石峰寺の朱印帳を衝動買い。

イメージ 7御朱印は羅漢印で、あて紙も羅漢様。羅漢像は撮影禁止だったので、よい記念になりました。