羽生雅の雑多話

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宝塚メモ~現役最強コンビ 珠城りょう&美弥るりか(+宙組プチ感想)

 久しぶりの宝塚メモです。


 ちょうど一週間前になりますが、赤坂ACTシアターで宝塚月組公演「雨に唄えば」を観てきました。

 先月の宙組公演が、新トップスターゆりか(真風涼帆さん)のお披露目公演で、大好きなマンガの舞台化ということもあり、楽しみにしていたのですが、あえて観劇記事を書く気にもならないほどの駄作だったので、次の月組には大いに期待していて、その期待を裏切らない公演でした。とにかくレベルが違いすぎる。今この作品をファンが幻滅しない作品として演じられるのは月組だけでしょう。素晴らしかったので、ついパンフレットを買ってしまいました。

 女王ちゃぴ(愛希れいかさん)がいなくても、たまるりがコンビとして魅せてくれました。たまきち(珠城りょうさん)の揺るぎない安定感と、みやるり(美弥るりかさん)の醸す洗練された軽妙さと洒脱さ――そこに及第点のタップダンスと馴染み深いメロディの歌が絡んで、これぞエンターテインメントという感じでした。芝居は言わずもがなですが、ダンスも歌も、今の月組は観ていて何の不満も感じないところが他組と違うところです。みやるりなんか、一人で舞台全体を使って芝居をしながら歌っている場面とかが本当に巧くて、さすがだと思いました。相変わらず着こなしバッチリのスーツ姿でたまきちが雨を浴びつつ歌う場面も安心感があってよかったし。単なるコスプレだった宙組とは大違いでした。

 宙組といえば、ここのところアニメやマンガ原作の作品が比較的おもしろかったので、『天は赤い河のほとり』もいい具合になるのではないかと思っていたのですが……撃沈でした。敗因は原作を詰め込み過ぎたことでしょう。それと、「タワナアンナ」や「ミタン二」など、ヒッタイト関連の固有名詞なんてただでさえ馴染みがないのに説明もなく、詰め込みすぎて話も飛び飛びなので、原作を読んでいない人はさっぱり訳が分からなかったと思います。その点、花組の『ポーの一族』は独立した舞台作品としてきちんと成り立っていました。さすが小池修一郎先生。

 話を月組に戻すと、今回は三番手のレイコ(月城かなとさん)も四番手のあり(暁千星さん)もいませんでしたが、それでも物足りなさを感じることはありませんでした。なんといっても、まゆぽん(輝月ゆうまさん)の存在が大きかったと思います。ヴェローナ大公も宇宙人もこなす振り幅の大きいジェンヌさんで、今や存在感の大きさは番手並みといっても過言ではありません。今回は初の娘役でしたが、人気女優役を違和感なく堂々と大胆にこなしていました。まゆぽんが出演しているはずだけど、しばらくは何役かわからず、後から出てくる役なのかと思っていたら、リナ役だったので、驚きました。たまきちことドンと並んだときにリナのほうが背が高かったので気づきました(笑)。リナは顔は美人だけど声としゃべり方が変な女優という位置付けなのですが、まゆぽんはもともと歌ウマなので、変な作り声で歌っていても問題なく聴き取れるという、不思議なスゴさがありました。

 ヒロイン役の美園さくらさんも歌が上手かったのでよかったです。キャシー役は歌が上手くなければ説得力がありませんから。芝居も悪くはありませんでしたが、芸達者な月組生の中ではまだまだ硬く、よく言えばフレッシュで、悪く言えばこなれていない感じだったので、これからダンスとともに磨いていってほしいです。

 次の月組は「エリザベート」、ちゃぴのサヨナラ公演です。欲を言えば、もっとちゃぴらしい、ちゃぴにしかできない、彼女のために書き下ろした役が観たかったですね。